アーティスト・友高博之氏の作品集。
2019〜2020年にかけて描かれた作品集です。
同語反復と自己言及。
あるときふと聞いた「いけたらいくね」という言葉。
そこから始まったこのシリーズ。
「いけたらいくね」とはー
その状況が成立するには、「いく」(いけた)という結果があってこそだ、とのこと。
仕事がなかったらいく、予定がなかったらいく、などという何かの条件が成立したらではなく。
「いけた」という結果があるから「いけたらいく」が成り立つのだ、
それがとてもおもしろいと話す友高氏。
作品集をつくる・販売する中で、そのおもしろさをどう伝えたらいいのか?と悩んでいたのですが、TGSG展(※)のときにやっとわかったのです。
友高さんはきっと「ひと」に興味があるのだ。
作品を観たひとがどう感じるのか?
ひとのアウトラインを確かめたい、そのギリギリを見てみたい、そんな興味を持って描いているのだということがやっとわかったのです。
本作品に対してスタディをたくさん描くのが友高さんのスタイル。
スタディは「うまくならないために描くのだ」と言っていたが
どこまでだったら描いて許されるのか?
法律や、育った環境による倫理など
そんなことを確かめながら何枚ものスタディを描いているのかもしれない。
そう思うと、スタディ1枚1枚がさらにおもしろく感じられる。
つまり、この作品集は友高さんからの挑戦状みたいなもの…?
さて、作品集をみたあなたはどう感じるのだろう
作品のおもしろさについては、城門氏による序文をご覧いただきたいです。
全文引用したいくらいですが、そういうわけにはいかないので画像の一番最後に少し(2枚)載せています。
2021.9 野寺
※エクリュギャラリーにて開催された
「Tautological Girl, Self-reference Girl」
TOMOTAKA Hiroyuki 展覧会
(共催:HOSHIDO)
2021年8月13日(金)~9月5日(日)
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Tautological Girl, Self-reference Girl
友高博之
2021年4月1日(エイプリルフール)発行
全48ページ
A4変型
編集/DTP HOSHIDO 佐藤実紀代、野寺由夏
撮影 佐藤弘基